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- 楽天でんきの次に、私がオクトパスも並べたくなった理由
- オクトパスエナジーとは何者か──イギリス発・東京ガス合弁の背景
- 【全9エリア】電気代の単価比較──「どこが安いか」はエリアで入れ替わる
- 使用量別の勝敗マップ──「最安クラス」なのは、確かに事実
- 「実質再エネ100%」の中身──非化石証書という言葉を解体する
- オクトパスの主要プラン──「シンプルオクトパス」には注意書きがある
- サポート・請求まわりで語られていること──「安さ」の裏側
- 「気になるけど変動が怖い」層への回答──市場連動リスクは両社共通
- あなたはどちらが向いているか──3ステップの判断フロー
- 結論──「最安クラス」を認めた上で、私がTERASELでんきを選んだ理由
楽天でんきの次に、私がオクトパスも並べたくなった理由
楽天でんきの記事を書き終えて、下書きを閉じたあとも、頭の隅に残っていたキーワードが一つあった。「オクトパスエナジー」だった。
比較サイトを開けば、必ずランキング上位に名前がある。SNSでは「乗り換えたら月2,000〜3,000円下がった」という声が並び、業界の第三者評価「新電力アワード2025」でも総合満足度部門で最優秀賞を取っている。ここまで揃っていて、「TERASELの方が良い」と言い切るのは、正直、乱暴だ。
だから、書くことにした。「最安クラス」と呼ばれているものを、素直に認めた上で、それでも自分がTERASELを使い続けている理由を、我が家の数字ごと並べてみる、という記事を。
楽天でんきとの比較は、楽天経済圏を使っているかどうかで結論が割れた。オクトパスとの比較は、そこよりもう一段深い。「経済圏うんぬんの前に、単に電気代がどっちが安いのか」という、身も蓋もない土俵の話になる。
2022年、私は新電力の一社で痛い目を見た。市場連動のリスクを軽く見て、燃料費が跳ねた冬に検針票を握りしめて青ざめた記憶がある。「安さで選んだ」という理由で失敗した経験があるからこそ、この記事は楽天でんきとの料金・ポイント比較記事より慎重に書いている。
オクトパスエナジーとは何者か──イギリス発・東京ガス合弁の背景
先に、相手の素性を整理しておく。「聞いたことがない会社は不安」というのは、新電力を検討したことがある人なら誰もが感じる引っかかりだ。私もそうだった。
オクトパスエナジーの本体は、イギリスに本社を置くOctopus Energy Group。2016年創業、テクノロジードリブンな料金設計と再生可能エネルギー特化で急成長し、いまやイギリス最大級の電力事業者の一つになっている。世界9カ国以上で電力事業を展開しており、日本市場には2021年、東京ガスとの合弁会社「TGオクトパスエナジー株式会社」として参入した。
つまり、資本の裏側には東京ガス(東証プライム上場)がいる。海外のベンチャーが単騎で日本に来て突然電気を売り始めた、という怪しい構図ではない。この点は、TERASELでんきを運営する株式会社エネクスライフサービスが、伊藤忠エネクス(東証プライム上場)の子会社である構図と、非常によく似ている。両社とも、上場企業の資本が入った合弁・子会社形態で、ここは運営会社の信頼性を伊藤忠まで遡って検証した記事と対にして読むと、対等な立場での比較になっていることが分かるはずだ。
受賞歴も一応整理しておく。前述の「新電力アワード2025」では総合満足度と料金の納得感の2部門で最優秀賞。RBB TODAYが主催する調査で、公式サイトの記載を追う限り、乗り換えた契約者への調査で「安くなった」という回答が8割を超えたというデータがある。数字はあくまで公式発表のものだが、身元不明のブランドではない、という点は押さえておいていい。
【全9エリア】電気代の単価比較──「どこが安いか」はエリアで入れ替わる
ここから本題に入る。「オクトパスは安い」と一言で片付けられがちだが、正確には「エリアと使用量の組み合わせによって、勝ち負けが入れ替わる」。この事実を先に共有しておかないと、後の判断がぶれる。
両社のプランは、旧一般電気事業者と同じ「エリアごとに料金表が違う」設計になっている。TERASELでんきは9エリア、オクトパスエナジー(グリーンオクトパス)も同じく9エリアで供給しており、それぞれのエリアで基本料金・段階別単価が異なる。

以下は、複数の比較サイト(HonNe・エネチェンジ・マイベスト・エネピ等)の試算結果と公式の料金表を突き合わせて整理した、エリア別の「どちらが有利になりやすいか」の傾向マップだ。実額ではなく、あくまで傾向値として見てほしい。
| エリア | 有利な傾向 | 理由 |
|---|---|---|
| 北海道 | オクトパスが有利 | グリーンオクトパスの基本料金が全国最安水準。使用量少なめでも効く |
| 東北 | TERASELが有利 | 規制料金が高く、超TERASELの3段階単価が効きやすい |
| 東京 | TERASELが有利 | 40A・380kWh想定で、超TERASELが月774円安い(後述) |
| 中部 | オクトパスが有利 | 基本料金がやや低め。使用量少なめの世帯で優位 |
| 北陸 | オクトパスが有利 | そもそも規制料金自体が全国最安圏で、差はどちらも小さい |
| 関西 | 使用量次第 | 最低料金制のため、超TERASELは月550kWh超えないと逆転しない |
| 中国 | TERASELが有利 | 規制料金との単価差が付きやすい |
| 四国 | TERASELが有利 | 同上。中国と近い構造 |
| 九州 | 要シミュレーション | 2026年時点で燃料費調整額が全エリア最高水準。両社とも変動リスクを受けやすい |
※2026年7月時点の複数比較サイトの試算・公式発表値をもとにした傾向。契約アンペア・使用量・時期で前後する。確定値は必ず両社の公式シミュレーションで確認してほしい。
我が家の場合──東京・40A・月380kWh──で数字を出す。超TERASEL東京Bの電力量単価は、2段階(121〜300kWh)が34.26円、3段階(300kWh超)が35.64円。対する東京電力従量電灯Bは、同じ段階で36.40円、40.49円。この差だけで、月13,841円 対 14,614円、月774円・年間9,280円の節約になる。
グリーンオクトパス(東京電力エリア)は、基本料金が10Aあたり約295円/月と、東京電力・TERASELより数円安い。ただし電力量単価は2026年4月に一部エリアで値上げされており、東京エリアの現行単価は公式サイトで確認する必要がある。上位の比較サイトが更新遅れで古い数字を掲載しているケースが少なくないので、鵜呑みは避けたい。
全エリアの料金単価を整理した記事でも触れたとおり、この手の比較は「一表で終わり」にはできない。むしろ、そう見せてくる比較サイトほど疑ってかかった方がいい。
使用量別の勝敗マップ──「最安クラス」なのは、確かに事実

結論から言う。オクトパスエナジーが「最安クラス」と呼ばれるのは、誇張ではない。特に一人暮らし〜二人暮らしのゾーンでは、基本料金の低さがそのまま効いて、TERASELより有利になるエリアが多い。ここは正直に認めるところだ。
ただし、使用量が上がると景色が変わる。TERASELの「超TERASELプラン」は、使えば使うほど単価が下がっていく3段階制の逆進的な設計になっていて、月300kWhを超えたあたりから、その逓減が効き始める。4人家族で夏冬にエアコンを回すような使い方をすると、この差はじわじわ広がる。
目安を整理するとこうなる。
- 〜200kWh/月(一人暮らしの標準):ほぼ全エリアでオクトパスが有利
- 200〜300kWh/月(二人暮らし):エリアによって割れる。北海道・中部・北陸はオクトパス、東北・中国・四国はTERASEL寄り
- 300〜400kWh/月(3〜4人家族):東京・東北・中国・四国は超TERASELが優勢になり始める
- 400kWh/月以上(電気を多く使うファミリー):北海道・北陸を除き、超TERASELが安定して優位
オクトパスにも「シンプルオクトパス」という、基本料金・燃料費調整額ゼロで一律単価という、多く使う世帯向けのプランがある。ここは超TERASELと真っ向勝負のゾーンになる。だが、このプランには一つ、見落とされがちな落とし穴があって──それは後の章で扱う。
「最安」という言葉は、必ず「使用量」と「エリア」という2つの変数を固定して初めて成立する。この2つを曖昧にしたまま最安を語る記事は、ほぼ間違いなく何かを隠している。私も含めて、そう疑ってかかった方がいい。
「実質再エネ100%」の中身──非化石証書という言葉を解体する
オクトパスの主力プラン「グリーンオクトパス」は、実質再生可能エネルギー100%を大きく打ち出している。私は最初これを見たとき、「太陽光や風力で発電された電気が、うちに直接届く」というイメージを持った。実際は違う。
電気は物理的に、その電力会社の顧客宅にだけ届けられるわけではない。日本の送配電網は全社共通で、家庭に届く電気は複数の発電源が混ざったものになる。オクトパスに切り替えても、コンセントから出てくる電子そのものは、隣家と何も変わらない。
では「実質再エネ100%」とは何か。「非化石証書(再エネ指定)」という、環境価値だけを切り出して証書化したものを、オクトパスが購入している、という会計上の仕組みだ。太陽光や風力で発電された電気の「CO2を出していない」という価値の部分だけが、証書として流通している。オクトパスは供給する電力量に見合う分の証書を経産省管轄の市場で買い、契約者の電気を「CO2排出量ゼロとして扱う」ことができる。

これは制度としては正当なもので、再エネ普及を後押しする国の枠組みに沿っている。決して騙しているわけではない。ただ、「私の家に届く電気そのものがクリーンになる」わけではない、という理解は持っておいた方がいい。この一点を分かった上で価値を感じるなら、グリーンオクトパスは十分に候補になる。分からずに感覚だけで選ぶと、「結局、東京電力と何が違うの?」という後悔になりやすい。
TERASELでんきは、こういう環境訴求を前面に出していない。良し悪しではなく、選ぶ側の価値観の問題だ。純粋に価格と使用量だけで比べたい人にとっては、TERASELの方が判断がシンプルになる。
オクトパスの主要プラン──「シンプルオクトパス」には注意書きがある
オクトパスの家庭向けプランを、主要なものだけ整理する。

- グリーンオクトパス:標準プラン。基本料金 + 3段階の電力量単価 + 燃料費調整額、という大手電力に近い構成。実質再エネ100%が付随。迷ったらこれ、という位置づけ
- シンプルオクトパス:基本料金と燃料費調整額がいずれも0円。使用量×一律単価だけで計算できる、月250kWh以上向けの設計
- オール電化オクトパス/EVオクトパス/ソーラーオクトパス:それぞれオール電化住宅、EV利用者、太陽光パネル設置家庭向けの専用プラン
ここで一つ、シンプルオクトパスについて注意すべき点がある。契約できる期間は最初の1年間限定で、2年目以降は自動的にグリーンオクトパスへ切り替わる設計になっている。しかも2026年4月には、そのシンプルオクトパスの電力量料金が最大約3.4円/kWh値上げされた。エリアによっては、これで一般家庭の月額負担が600〜1,000円ほど増えている。
「基本料金ゼロ・燃料費調整額ゼロ」という入り口の分かりやすさで飛びついた層が、1年後にグリーンオクトパスへ自動移行し、そのタイミングで「あれ、思ってたのと違う」となる──そういう構造がこのプランにはある。契約前に、2年目以降の単価まで見に行くのが正解だ。
比べてTERASELでんきのプラン体系は、「TERASELプラン(少なめの人向け)」「超TERASELプラン(多めの人向け)」「TERASELマーケット(市場連動)」の3本立てで、切り替え条件の複雑さはない。プラン数の少なさは、選択肢の少なさでもあるが、「後で条件が変わる」リスクの少なさでもある。4プランから自分に合うものを選ぶための判断フロー記事に、プラン選びの分岐は詳しくまとめてある。
サポート・請求まわりで語られていること──「安さ」の裏側

ここは、上位に出てくる比較サイトが、あまり深く触れない領域だ。だが、電気は毎月のインフラであって、料金プランの数字だけで選ぶと後で困る場面がある。
まずポジティブな側面から。オクトパスの問い合わせチャネルは、フリーダイヤル電話・メール・LINE・X(旧Twitter)・Instagramと非常に広く、応答が早い・丁寧だという声が多数ある。契約者アンケートでは「安くなった」と回答した人が7割を超えたという公式データもあり、口コミの温度感は全体としては高い。
一方で、口コミを広く拾うと、無視できない声もある。
- スマートメーターの読み取り誤差・誤請求の報告
- 引っ越し時のアカウント切替でエラーが発生し、対応に時間がかかったケース
- 「解約した覚えがないのに電気が止まった」というGoogleレビュー上の投稿
- キャンペーン案内メールが多く、大事な明細が埋もれるという声
件数として大量ではない。個別事例の可能性も大きい。ただ、電気というライフラインで「請求」と「解約」のトラブルが混ざっているのは、私にとっては軽く扱いにくい情報だった。
2022年に別の新電力で「請求書が来ない」「サポートに電話しても繋がらない」を経験している人間としては、このタイプの声には身体が反応する。安さだけを見て乗り換えて、後で連絡が付かない、という悪夢の第2章だけは避けたい。
TERASELでんきも完璧ではない。カスタマーサポートの電話はナビダイヤル(有料)で、ここは明確なマイナスだ。ただ、母体が伊藤忠エネクスという、40年以上エネルギー商社をやってきた大手グループの子会社である分、請求・与信・支払いといった裏方のオペレーションを何十年も回してきた組織ではある。新興の外資合弁より、この領域の型は積み上がっていると考えるのが自然だ。ここは推測を含む部分だが、私が最終的に体重をかけた判断材料の一つだった。
「気になるけど変動が怖い」層への回答──市場連動リスクは両社共通
SNSで見かけたつぶやきに、こういうのがあった。「オクトパスは気になるけど、従量課金の仕組みが複雑で、月ごとにいくらになるか読めないから遠慮している」。
この不安は的外れではない。ただ、これはオクトパスエナジー固有の弱点ではなく、新電力全体の構造的な話だ。ここを分けて理解しておかないと、比較の軸がぶれる。
グリーンオクトパスも超TERASELも、燃料費調整額に上限を設けていない。大手電力会社の規制料金プランには上限があるのに対し、両社ともこれを外している。上限を外すことで、平常時の単価を安く設定できているという構造だ。だから、燃料価格が急騰した局面では、両社とも大手の規制料金より割高になり得る。同じリスクを抱えている、同じ土俵の話になる。
2022〜2023年の資源価格高騰期には、上限のない新電力プランの燃料費調整額が跳ね、SNSで「電気代が倍になった」という悲鳴が並んだ時期があった。私自身、あのタイミングで痛い目を見た一人だ。燃料費調整額の上限なしが実際にどう効くのか構造検証した記事で、過去の燃料価格の推移を追って検証しているが、直近数年のレンジでは、規制料金上限を大きく超えるほどの高騰は、今のところ限定的だ。ただし「今後も同じ」とは誰も約束できない。この前提は、TERASELを選んでもオクトパスを選んでも共通で持っておいた方がいい。
変動が怖いなら、両社とも「マーケット系プラン」「シンプル系プラン」を避けて、標準プラン(超TERASEL または グリーンオクトパス)を選ぶ、というのが第一の防衛策になる。この構造は覚えておくと、比較の景色が変わる。
あなたはどちらが向いているか──3ステップの判断フロー

ここまでの整理を、実際に決めるための3ステップに落とし込む。
→ 実質再エネ100%に価値を感じる ⇒ グリーンオクトパスが噛み合う
私は東京・40A・4人家族・月380kWh・楽天カード保有──Step 1でYES、Step 2でYES、Step 3で楽天側に該当した。つまり、この3ステップに素直に従うと、私の答えは「TERASELでんき」になる。あなたの答えはどうなるだろうか。
関西エリアや九州エリアの人、あるいは月200kWh前後の一人暮らしをしている人は、このフローで「オクトパス側」に振れる可能性が高い。この記事で「TERASELの方が良い」と結論している私が、それでも「あなたはオクトパスの方が向いているかもしれない」と言っているのは、ここに嘘をつくと記事全体の信頼が壊れるからだ。
結論──「最安クラス」を認めた上で、私がTERASELでんきを選んだ理由

オクトパスエナジーが最安クラスだというのは、事実だ。エリアや使用量の条件が合えば、TERASELより実額で安くなるケースは十分にある。実質再エネ100%も、非化石証書という制度の上に立った、正当な訴求だ。ここまで一通り確認しても、隠れた地雷は見つからなかった。
それでも私は、TERASELでんきを使い続けている。最安であることと、自分にとって最適であることは、必ずしも一致しない。今回オクトパスと真剣に並べてみて、あらためてそう思った。
理由を3つに絞る。
一つ目は、我が家の条件(東京・40A・4人家族・月380kWh)で、超TERASELの方が実額で有利だった、というシンプルな計算結果。月774円、年間9,280円の差は、4人家族の家計に対して軽い数字ではない。
二つ目は、楽天カード・楽天市場を日常的に使っている生活との相性。TERASELでんきの支払いに紐づく楽天ポイント還元は、私の生活動線にそのまま乗る。楽天でんきとの料金・ポイント比較記事で書いた通り、経済圏をすでに使っている人にとって、このポイント効率は無視しにくい。
三つ目は、2022年に新電力で請求トラブルを経験した人間として、母体が伊藤忠エネクスという大手グループであることに、心理的な安心料を払っている、という側面。オクトパスのサポートは総合的には評価されているが、私が拾った請求・アカウント関連の口コミを見た後では、慎重にならざるを得なかった。
私の答えは、東京都内で使用量300kWh超・楽天経済圏を使っている4人家族、という条件下でのものだ。北海道や中部で月200kWh前後の一人暮らしをしている人がこの記事を読んで、そのまま真似してTERASELを選ぶと、実額で損をする可能性がある。結論は、あなたの数字とエリアで、あなた自身で出してほしい。
もし乗り換えて合わなかった場合の解約についても、両社とも違約金・解約金の設定はない。合わなかった時の解約手順をまとめた記事にプロセスをまとめてあるので、「戻せる」という前提が確認できてから動く方が安全だ。
まずは検針票を用意して、自分の数字で試算するところから。それがこの記事の、唯一の推奨アクションになる。


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